世界で一番弱い人
大阪のデパート屋上やレトロゲームセンターの話が多いです。

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『ファイナルファイト』との出会い
ファイナルファイト(1)

ファイナルファイト(2)

僕が小学校高学年だった1990年頃、通っていた小学校では「駅前のニチイの屋上ゲームコーナーは不良の溜まり場、絶対に近づくな。」という常識があり、少なくとも同じクラスの人間は誰もそこに足を踏み入れたことがありませんでした。

そのニチイの屋上の一階下にはおもちゃ屋があり、そこには子供用のエレメカが置いてあってそこまでなら友達とよく通っていたのですが、屋上に上がることだけは出来ず、毎回「屋上 ゲームコーナー」と書かれた案内板を尻目に家へと帰っていました。

ファイナルファイト(3)

いつものように屋上下のおもちゃ屋で友達3人と遊んでいると、ある友達が「誰か一人屋上に行って見てこないか?」と言い出したのです。今、考えればなぜそこまで恐れる必要があるんだ?と思うのですが、当時はなんて恐ろしいことを言い出すんだと思いました。

結局、ジャンケンで負けた人が屋上に行くことになり、皆でジャンケンをしたのですが、あっさりと僕が負け僕が行くことになってしまったのです。僕はそのとき「恐怖」を感じ、なんとかして逃げられないものかと考えましたが、どうにもなりませんでした。

ファイナルファイト(4)

意を決して屋上へと続く階段の前まで来ると、恐怖はピークに達し、気の弱い僕には階段がまるで死の世界へと続くように思われました。親にも学校にも友達にも行くなと言われていた場所に踏み込む怖さを体で感じながら一段、また一段階段を上がっていくと、もう友達の姿は見えず暗い階段の中、一人だけになっていました。

この先に起こりうる事態が頭のなかをぐるぐる回り、凄まじいほどの孤独を感じたのですが、ハッと顔を上げると階段の先の開け放した扉から光が目に飛び込んできました。それは屋上の太陽光だったのですが、その光はその時の僕にとって天国からの光のように感じ、どこか安心した僕は一気に階段を駆け上がると、そこには人が全くおらず、テーブルゲーム機や筐体ゲーム機が100台近く並ぶ世界がありました。

ファイナルファイト(5)

屋根はあるもののコンクリートの壁はなく、透明のビニールが壁代わりになっていたため太陽光が階段にまで差し込んできていたのです。よく見ると一番奥に管理人と思われるお爺さんが椅子に腰掛けて眠っているようにうつむいている以外は本当に人がおらず、ゲーム機のデモ音だけが鳴り響くどこか不思議な広い空間でした。

僕はまるで廃墟にでも忍び込んだかのように恐る恐るゆっくりと周りを見渡しました。そのときはじめに目に飛び込んできたのが『ファイナルファイト』でした。その当時はまだスーパーファミコンも発売していなかった頃でゲームといえば基本ファミコンだった僕にとって、『ファイナルファイト』の大きなキャラクターと美しいグラフィックはかつて見た事がないとんでもないものでした。

ファイナルファイト(6)

僕は恐怖を克服した嬉しさと見た事のないゲームを発見した喜びで舞い上がり、すぐ下の階へ駆け戻り、下で報告を待っていた友達に「いける!誰もおらん!」と報告すると友達も一気にテンションが上がったらしく、さっきは恐怖の中進んでいた階段を次は皆で駆け上がりました。

屋上に戻るとやはり皆の視線は『ファイナルファイト』に釘付けでした。皆、少ない小遣いからどんどん小銭を投入してはプレイしました。

ファイナルファイト(7)

結局のところ、不良の溜まり場だった時代はとっくに終わっていたようでした。ついに自分が通えるゲームセンターを見つけた僕は、ニチイの屋上を主戦場にしました。この直後に起こるストリートファイターIIの大ブームや、それ以前のマジックソード、U.S.NAVY、R-TYPE II、グラディウスIII、出たな!!ツインビーなどといった名作もこの太陽光の差し込むニチイの屋上で体験しました。

今思い返すと、ニチイの屋上に一人で上がるという行為は子供から大人になる際の精神的な「割礼」だったのではないかと思います。「割礼」を終えた後の褒美として存在した『ファイナルファイト』は今でも僕にとって特別なものとして目に映ります。


明日の記事に続きます。

テーマ:レトロゲーム - ジャンル:ゲーム

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